2022.11.10
”ゲーム×プログラミングの効果” マイクラやRoblox を使った主体的な学びを促進させる裏技
こんにちは!
当社では時々大規模なイベントに出展したりすることがありますが、今回は「コエテコEXPO」というイベントに登壇させていただきました!その模様を2回にわけてレポートしていきます!
2022年10月17・18日の2日間に渡ってコエテコEXPOが開催されました。
コエテコEXPOとはGMOメディア様が主催する、民間プログラミング教育サービスの新しい価値を生み出し、業界発展を目指す、プログラミング教育サービスと課題解決などのノウハウが集結するオンライン展示会。
当社は2日間の計2回登壇し、2つのテーマに分かれてセミナーを実施しました。
今回は「コエテコEXPO」の1日目のセミナーについての実施レポートです。
【セミナー概要】
10月17日(月) 14:00~14:30
‟ゲーム×プログラミングの効果”マイクラやRoblox を使った主体的な学びを促進させる裏技▼コエテコEXPO セミナー概要
https://expo.coeteco.jp/seminar/2XUW-yp6
1日目のセミナーでは、プログラミング教育が注目される中、子どもが飽きずに自発的にプログラミング学習に取り組めることが期待される「ゲーム×プログラミング」について、当社エンジニアとプログラミング講師を交えて、座談会形式で実施しました。
セミナーの登壇は、当社エンジニアの水島と、プログラミング講師の今澄が実施しました。
=========================================
水島滉大
エデュケーショナル・デザイン株式会社 社内エンジニア
高校教諭第一種免許状(情報・商業)所持
商業高校にて情報講師を経験。現在はエデュケーショナル・デザイン株式会社社内エンジニアをしながら、授業やコンテンツ制作を担当。KADOKAWA社よりプログラミング書籍を出版。
〈水島と著書「自分で作ってみんなで遊べる!プログラミング マインクラフトでゲームを作ろう!」〉
今澄亮太
エデュケーショナル・デザイン株式会社 Robloxコースカリキュラム開発者
大学在学中にVRゲームを開発、卒業後はカプコン就職
現在はエデュケーショナル・デザイン株式会社にてRobloxコースカリキュラム開発者/プログラミング講師を務めている。「Robloxでゲームを作ろう!」(日経BP社)の著者。
〈今澄と著書「Robloxでゲームを作ろう!」〉
=========================================
マインクラフト・Robloxとは?
【マインクラフト】
教室でマインクラフトを知っているか尋ねると、9割5分の生徒が知っていると答えており、世界規模で非常に有名なゲームです。
2011年に製品版がリリースされて以来、アップデートを重ねるごとに話題性が大きくなり、そのためYouTuberの投稿が増え、子どものマイクラの認知度やマイクラで遊ぶ人口が増えました。
また、様々なプラットフォーム(任天堂SwitchやiPad)で遊べるようになった背景もあり、現在マインクラフトは、これまで世界一位だったテトリスを抜いて、世界で最も売れたゲームとなりました。
当社エデュケーショナル・デザインが独自開発をした、マインクラフトを使用したプログラミング教材「マイクラッチ」は、ブラウザでScratchのようなビジュアルプログラミング言語を使って、パーツとパーツを組み合わせてプログラムを作っていく教材です。
マインクラフトの世界観を用いているため、子どもが親しみやすく、保護者の方も「マインクラフトって学習にもなるんだ!」と前向きな姿勢になっていただけることが多いです。
【Roblox】
Robloxとは、ユーザーがゲームを作成、共有したり、他のユーザーが作成したゲームをプレイしたりできる、オンラインゲーミングプラットフォームおよびゲーム作成システムです。
数年前まで日本での知名度は低かったのですが、最近では低学年の子でも知っている、遊んでいるといった子がすごく増えている印象です。
その背景としてはYouTubeの影響が大きく、有名なYouTuberが取り上げたことで日本でも知られるようになりました。
世界ではプレー人数が非常に多く、米国では16歳未満の子どもたちの半数以上がプレーしています。
海外では高校生が学費などを稼ぐために、Robloxで面白いゲームを造ってお金を稼ぐような仕組みもあります。
Robloxの特徴として、公開したゲームが多くの人に遊んでもらうことができると、ゲーム内通貨Robux(ロバックス)と呼ばれる仮想通貨のような通貨をもらうことができて、Robuxがある程度貯まると現金化できる仕組みが用意されています。
Robloxでゲームを作る際は、Roblox studioという無料ツールを使って、3Dのゲームを造ることができます。
そして、Roblox studioは先ほどのマイクラッチとは違い、「LUA」といったプログラミング言語を用いたテキストプログラミングになります。
そのため、ビジュアルプログラミング言語をある程度経験し、テキストプログラミングに挑戦したいプログラミング歴中級以上の方向けのコンテンツになります。
テーマ別座談会
ここからは、普段から教材を作ったり、子どもたちと関わりがあるメンバーが現場目線で座談会を実施しました。
【テーマ①:ゲーム×プログラミングのいいところはどんなところ?】
水島:まず、子どもたちが夢中で学んでくれるところがいいところだと思います。よくあるのが、教室を授業開始15分前から開けていますが、15分前から来て、スタートから授業の90分が終わった後、片付けの最後ぎりぎりまで粘っている子もいるんですよ(笑)。
マイクラは、自分が頑張れば頑張るほどマイクラの世界でできることがグレードアップしていくので、そこが楽しい、嬉しいに繋がるので夢中でやってくれる印象です。
今澄:そうですね。あと、普段からマインクラフトとかロブロックスを遊んでいる人からすると、「こういうのを作ってみたい!」みたいなアイデアがうまれやすいっていうのもありますよね。
「マイクラでこういうものがあるから、プログラミングでちゃんと作ってみたい」みたいな。こういったことから自発的にプログラミングで自分の作品を作ってみたいといったアイデアが生まれやすいのが、ゲームプログラミングの良さの1つかなと思いますね。
水島:確かに!教室で「このYouTuberがやってるこれ作りたいんだけど!」って持ってこられることがあって、結構難易度が高いものを持ってくることがあるんですよね(笑)。
ただ、腕の見せ所だと思って、いっしょに「こうしたらできるんじゃない?」と考えながら作っていくことができるのもマイクラならではというか、人気コンテンツならではって感じがしますね。
今澄:そうですね。ロブロックスの場合だと3Dモデルがたくさん使えるので、プログラミングをしなくても3Dモデルを置くだけで自分らしいゲームが作れちゃったりしますね。
さらに、ここにプログラミングを足していくことで、自分の世界観の表現が更にしやすいっていうのはあるかなと思いますね!
水島:そういえばもう一個言いたいことがありまして、僕自身プログラミングと出会ったのは中学生くらいだったんですよ。その時僕は自己肯定感がなかった時期で、運動が苦手で、勉強もすごい誇れるものもないし、芸術センスもなかったんです。
それで「自分だめだなー」って思ってた時に、プログラミングって自分の思っていることを具現化できるんですけど、それを通して自己肯定感をあげることに成功したので、プログラミングも子どもたちの自己肯定感を上げる手段の一つとして活用できると思っています!
【テーマ②:プログラミングを教える時に気を付けていることはどんなこと?】
今澄:私の場合は、プログラミングを教えるときはアレンジの時間を結構重要視しています。基本的にはお手本通りカリキュラムにそってゲームを作っていってもらうんですけど、その途中で出た生徒さんのアイデアであったり、「もっとこういうの作ってみたい!」といったチャレンジ意欲を重要視していて、時間がかかってしまってもアレンジの時間はかなり重要視しています!
水島:そうですね!僕らのコンテンツでも必ず最後にアレンジ課題を用意して、その通りにやらなくてもいいけど、「こういうことをするとこういうことができるよ」といった紹介は全部のミッションで見つけてますね!
今澄:はい、やっぱりゲームなので、ちょっとしたアレンジも思いつきやすいんですよね!
もっと普段触っているこのゲームのこれを実装したいとかアイデアが出やすいのもいいところかなと思っています!
水島:D-SCHOOLではプログラミングコンテストも実施しているのですが、コンテストに応募された作品を参考にして自分の作品を作ったり、僕たちの教材で学んだことをアレンジして、作品作りに生かしてくれているとすごく嬉しいです。僕たちも指導者としてのやりがいを感じています!
今澄:なるほど!同年代の他の子の作品を見てインスパイアされたり、それがモチベーションにも繋がりますよね。
水島:そうですね。現場で教えていると、こういったこともすごく楽しいなと感じますね!
今澄:同感です!
水島:それでは本日のまとめになるのですが、やっぱりプログラミングを学ぶならゲームを作りながら学ぶのがいいですね!
もちろんロボットを動かしながらプログラミングを学ぶのもいいですけど、ゲームを作りながらプログラミングを学ぶのが一番楽しいかなと思います!
【質疑応答】
質問①:マイクラはお子さんが普段触っている度合いでスキル差が大きいと感じるのですが、教材開発や普段のお子さんへの関わりでどのような工夫をされていますか?
水島:最近だと年長さんくらいから高校生まで幅広い年齢層の生徒さんがいて、マイクラとかパソコンのスキルが全然違う場合も多いです。ただ、マイクラの操作をちゃんとしっかりしないとクリアできないゲームは特にないので、自分のレベルに合わせたプログラムを作ってもらっています。
アトラクションゲームでスタートからゴールまでジャンプで足場を渡るといった、簡単なゲームを作る回があるんですけど、それも自分がクリアできるレベルのゲームを作ってねといった感じで、バランス調整をしています!
質問②:ロブロックスについて、現在生徒さんにテスト的にレッスンを行っていますが、対象年齢の設定はありますか?また、幼児にも応用できるツールだと思いますか?
今澄:ロブロックスでゲームを作る時は、LUAというテキストプログラミングをしながら行う流れになっており、ロブロックスに興味があったとしてもいきなり取り組むのではなく、スクラッチやマイクラッチなど「ビジュアルプログラミング」でプログラミングの基礎を固めてから入るのがスムーズかなと思います。そのため、対象年齢というよりかは、プログラミングの経験次第だと思いますね。
水島:教室でも、スクラッチやマイクラッチでレベルアップした子にロブロックスやってもらうみたいな感じにしてますね。
今澄:そうですね!中学生でもいきなりテキストプログラミングにとりかかっても、英語に対して「うわ、難しそう」みたいな印象になってしまうのはもったいないですね。
なので、初めはビジュアルプログラミングから固めてから入るのが良いと思いますね。
質問③:マイクラでゲームばっかりしてしまって、プログラミングをしない生徒が出た場合はどうしていますか?また、保護者にゲームばかりしている印象を持たれないためのポイントはどこですか?
水島:私たちの教室でマイクラで遊んでしまう生徒はやっぱり出てきます。ただ、例えば「マイクラの中で自分がやりたいことをYouTuberがやってたから、プログラミングじゃないけどやりたい!」とか「これ今日やりたい!」というものを目的意識を持った子に関しては、まずやらせてあげて、その上で時間をしっかり区切って「この時間になったらプログラミングやろう」という感じで軌道修正をしてもらう対策をとっています。
そこで、マイクラで遊んだことがプログラムに活かせることもあるので、頭ごなしにプログラミングを強制するのではなく、時間を区切ったり、どんなことをしているかを聞いてあげることが大切です。
最後に
プログラミング教育の必修化により、子ども向けプログラミング教育教材が増加していますが、「子どもが夢中で取り組める教材」であることは、教材として非常に重要な要素の一つだと考えています。
エデュケーショナル・デザイン株式会社は、「子どもが夢中になれる」かつ「教育効果が高い」教材コンテンツの開発、そしてスクール運営に引き続き努めて参ります。